犯罪が起こりにくい環境へ!【割れ窓理論と領域性】

割れ窓理論のイメージ画像

割れた窓は放置してはいけない

皆さんは割れ窓理論をご存じでしょうか? 割れ窓とは歪んだ社会のメタファーで、管理や秩序が行き届いていない場所を表しています。

映画やドラマでギャングが抗争しているシーンには周りに落書きがあり、ゴミが散乱しているイメージがございませんか? あれはまさに適格な演出で、実際にそういった場所では犯罪が起こりやすいのです。

ビルの周りに花が咲いていて、ゴミ一つ落ちていない場所では、心理的に窓が割りにくくなります。きれいな場所を意図的に汚すのを躊躇うのと、同じ心理状態です。

逆に周りが汚く、管理が行き届いていないビルの窓を割って放置しておくと、次に割る窓の心理的抵抗は非常に少ないといわれております。汚い場所にゴミが一つ増えても、変わらないといった心理状態と同じといえます。

このように環境を整備しておくことが、犯罪が起こりにくい環境につながるといった理論を、割れ窓理論と呼びます。

実際にどのようなことが行われたか

この理論を一躍有名にしたのは、ニューヨークの地下鉄での強盗対策です。

ここには割れた窓はありませんが、大量の落書きがありました。落書きを割れた窓に見立てて割れ窓理論を実践していきます。

落書きをどんどんと消していき、落書きができない環境を作ります。その後、落書きをする人が段々と減り始め、落書きがなくなりました。

次は無賃乗車、いわゆるキセルを次々と取り締まりはじめました。キセルを割れた窓だと見立てたのです。

一見小さな犯罪ですが、このような小さな芽を摘むことを続けた結果、地下鉄での強盗は10年間で85%減りました。

ただこの85%減には、他の要因があるので、割れ窓理論を実践しただけの効果ではございません。

ですが、世界的このような実践はされており、確実に効果を出しております。イギリスでは割れ窓理論を元にした法律まで制定されております。

犯罪が発生しにくい環境

割れ窓理論とは犯罪が発生しにくい環境にするという理論です。環境を整備することは犯罪の低下につながると考えられていますが、実際に空き巣などを行う人はどのような視点で、犯行がしやすい環境を探しているのでしょうか。

犯罪者はやりやすい獲物を自分の理論に基づいて行動を起こします。ですが、その理論をまとめると、3つの要素に分類できます。

・接近性 獲物にうまく近づけるか

・逃走性 うまく逃げることができるか

・直感 これはいける!と良いイメージをもてた

他にも楽かどうか、楽ではなかったとしてもそれに見合う報酬があるのか、などを含めて、犯罪者は獲物を決めます。

防犯をするには、相手がしやすそうなことを想定して防犯をしなければなりません。

つまり、この3要素を少しでも封じることができれば、わざわざそんな場所でリスクを冒して、犯罪をする必要はなく別の地域や場所に行くはずです。

領域性

周辺環境に関する要素に領域性というものがあります。犯罪者にこの場所は、しっかりと整備されており犯罪行為がし辛いということを、示すことができれば犯罪を減少させることができます。

ガードレールや門、鍵などハードな面もあれば、パトロールや放送など心理的な面もございます。

視認性と呼ばれる、犯罪行為が周りから見えやすくする防犯カメラやライト、ミラーなども重要です。

最近ではFacebookやツイッターなどのSNSも防犯にとっては大切な役割がございます。

例えば民間でパトロールしている旨をSNSで発信することにより、地域の防犯意識を示すことにつながります。

ただ、警戒する時間や自分のいる位置を示すことになりますので、発信する場合はリアルタイムではなく時間をまばらにし、範囲もある程度ぼやかすと犯人にとって対応がし辛くなります。

補足 パトロールする場合の注意点

パトロールをする場合に最も効率がいいとされているのは、周辺を無秩序にパトロールするランダムパトロールよりも、犯罪が頻繁に起こっているホットスポットをパトロールしたほういいとされています。

空き巣犯に犯行をやめた理由を調査したら、近所の人に声をかけられた、顔を見られたなどがございます。

そして、犯行前に顔を見られたらその付近では犯行を行わない、という調査結果でした。

ですが、これはあくまでも捕まった、空き巣犯にインタビューをしたものです。

空き巣の被害申告率は約48%、検挙率は約53%であり、空き巣犯の4分の3は捕まっていないのです。

捕まっていないプロの空き巣犯を探し出すのは、不可能です。

ですが、何百件という数の窃盗を繰り返し、捕まった人には共通点がございました。それは、顔を見られたぐらいでは犯行をやめない、こそこそとせず堂々と犯行に及ぶという点です。

そもそも、顔が見られない場所。道に面していない場所や人がおらず周りに壁がある、などをあらかじめ調査し、犯行に及びます。

ですので、パトロールする際に必要なのは、領域性や割れ窓理論を意識してマップを作り、そこを重点的にパトロールするのが、効果的と言えます。

ちなみに、1点に留まる時間は15分がいいとされております。

まとめ

ニューヨークの地下鉄の例を見れば、小さな犯罪を摘み取ることで、大きな犯罪を食い止めることができました。

補足をすると、落書きを個人的に消し続けるのは、あまり効果がないとされております。割れ窓理論は、地域が一丸となっているという縄張り意識というものも、係わっているからです。

割れ窓理論に関しては、様々な批評や反対意見もございます。ですが、身の回りをきれいにしようと努力することは、決して間違いではございません。

企業にもこの理論を応用して、社内活性化につなげたりしているので、身近なところからこの理論を意識してはいかがでしょうか。

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