病院に防犯カメラを設置する際の注意点とおすすめの場所について
公開日 / 更新日
病院内での防犯カメラ設置を検討している方に向けて、設置の際の注意点やおすすめの場所について解説します。
病院では患者が入院することがあり、電子カルテなどの重要な個人情報も保有しているため防犯カメラの設置が難しいと感じられるはずです。
実際にプライバシーに配慮しなければ、患者が不安に感じてしまうこともあります。
そこで今回の記事では、病院に防犯カメラを設置する際の注意点や配慮するべきポイントについて解説します。
設置するのにおすすめの場所もご紹介しますので、参考にしていただければ効果的に設置できるでしょう。
病院内に防犯カメラを設置する目的
まずは、なぜ病院内に防犯カメラを設置しなければならないのか、目的について見ていきましょう。
設置される場合、次の3つの目的であることがほとんどです。
目的1:患者同士、あるいは患者とスタッフ間のトラブル防止
病院では患者同士、患者とスタッフ間でトラブルが起こることがあり、トラブル防止のために設置されることがあります。
たとえば待ち時間の長さによりイライラして、受付スタッフとトラブル人ることもあるでしょう。
訪れた患者同士で何らかの問題があり、口論二発展してしまうこともあります。
病院には多くの人物が訪れるため、トラブルが発生しかねません。
もしもの際の証拠として記録したり、警備員の配置を目的としたりするために防犯カメラが用いられます。
目的2:病院内の薬品や備品の盗難防止
盗難を防止するためにも防犯カメラは役立ちます。
病院ないでは薬品や備品が盗難に遭うことも考えられるでしょう。
特に薬品は、処方箋がないと処方されないものであるため、薬品を求める人は少なくないかもしれません。
一般の人の手に渡った場合、健康被害が出ることも考えられます。
病院には市販されていないものが多くあります。
防犯カメラを設置すれば、盗難防止に大きく役立つはずです。
目的3:緊急事態へのスムーズな対応
防犯だけでなく、カメラは緊急事態への対応にも役立ちます。
たとえば患者の容態が急変した際に、カメラで異常を検知できればよりスムーズな対応ができるでしょう。
カメラでの検知がスタッフに通知となって知らせられれば、容態の急変にも即座に対応できるようになります。
医療の現場での対応速度は、患者の命を左右する可能性があるものです。
病院内に防犯カメラを設置することにより、より多くの患者の命を救えるかもしれません。
病院内の防犯カメラの設置はプライバシーの侵害になる?
病院での防犯カメラ設置は、場所によってはプライバシーの侵害になる恐れがあります。
カメラを設置すること自体は、基本的に問題ありません。
しかし撮影された情報から、個人を特定できるようであればプライバシー侵害となる可能性があるでしょう。
たとえば患者の私生活に関する情報や他人には知られていなかった情報などです。
また患者本人が「他人に知られたくない」と思っている情報を撮影・公開した場合も該当します。
病院へのカメラ設置は基本的には問題がないものの、患者のプライバシーを侵害しないよう注意しなければなりません。
病院に防犯カメラを設置する場合に配慮したい点
それでは病院に防犯カメラを設置する場合、どのような点に配慮するべきでしょうか?
プライバシー侵害を避けるには、患者側、スタッフ側の両方から考える必要があります。
患者のプライバシー
患者のプライバシーを守るためには、防犯カメラ設置の目的を明確にしましょう。
身体の状態や疾病についての情報は、重要な個人情報となります。
通院していることを知られたくない患者もいるはずです。
そこで防犯カメラは防犯、安全管理、臨床以外の目的で使用しないことを告知しておく必要があります。
また病室内に設置する場合は、入院時の書類にしたため、同意を得ておいてください。
もちろん撮影したデータや情報も管理も徹底しなければなりません。
安心して通院・入院してもらえるように周知を行うことが大切です。
スタッフのプライバシー
スタッフ側のプライバシー保護では、スタッフ全員に設置を周知することと、プライベートな場所には設置しないことがポイントです。
たとえば更衣室や休憩室は、スタッフのプライベートな空間となります。
病院に防犯カメラを設置するなら、防犯や安全に関わる場所のみとするのが基本です。
スタッフの動きを監視するようにならないよう、設置場所に配慮してください。
病院に防犯カメラを設置する場合のおすすめの場所
病院の防犯カメラは、どこにつけても良いわけではありません。
最も効果的かつプライバシー侵害にならない場所は次の5つです。
1.出入口
まず不正侵入を防ぐために、出入口に設置しましょう。
出入口は撮影しなければならない範囲が狭く、設置しやすい場所でもあります。
また夜間に不審者が侵入してくる可能性が高い場所でもあり、セキュリティ面でも設置が求められる場所です。
更衣室内はスタッフのプライバシーを守るため、カメラの設置を控えたいもの。
しかし更衣室の出入口は侵入しやすいこと、盗難が起こりやすいことから、出入口付近だけを撮影できる角度なら効果的でしょう。
出入口に目立つ防犯カメラがあれば、犯罪の抑止効果も生まれます。
病院に防犯カメラを設置するなら、まずは出入口に設置してください。
2.待合室
待合室も防犯カメラを設置したい場所のひとつ。
なぜなら待合室では、患者同士でトラブルが起こることが多いためです。
中には規律を守らず行動をしたり、暴言を吐いたりする患者がいないとも限りません。
居眠りをした、少し席を離れたなどの隙に、盗難が起こる可能性もあります。
また待っている最中に容態が急変する患者がいないとも限らず、患者の安全確保のためにも必要となるでしょう。
ただし待合室に存在感がある防犯カメラを置くと、居心地の悪い空間になってしまいます。
目立たないタイプの、コンパクトなドーム型カメラを設置しましょう。
3.病室
病室内も患者の安全のために防犯カメラを設置したいものです。
急に容態が変わったときにより気づきやすくなるとともに、スタッフから患者への虐待を抑止する効果も狙えます。
過去に福祉施設において、防犯カメラの映像から虐待が発覚したこともありました。
適切な医療サービスを提供するうえで、病室への防犯カメラ設置は重要だと言えるでしょう。
さらに病室を狙って盗難を働く犯罪者もいるので、防犯目的でも役に立ちます。
プライベートな空間ではありますが、やはり病院ないに防犯カメラを設置するなら、病室内にも最小限の台数を設置したいものです。
4.診療室
診療室へのカメラ設置も効果的です。
設置の目的は主にふたつあります。
ひとつは精神状態が不安定になった患者の行動に対処すること。
そしてもうひとつは、研修医や新人の医師への教育のためです。
研修のための材料として使えば、実際の診療現場で取られるコミュニケーションを教えやすくなるでしょう。
ただし診療室は、患者の個人情報が撮影されやすい場所でもあります。
電子カルテが映らないようにするなど、プライバシーに配慮して設置されなければなりません。
5.手術室
手術室に防犯カメラを設置することもあります。
映像として手術の様子が残されていれば、万が一の医療訴訟の際の有力な証拠となるためです。
また診療室へのカメラ設置と同様に、研修医や新人医師の技術向上のための資料としても役立ちます。
ただし手術室で撮影ができるのは、患者からの同意を得たときのみです。
無断で撮影してはいけません。
手術前に撮影の目的を説明して、同意を得られるようにしましょう。
病院に防犯カメラを設置する場合の注意点
これから病院での防犯カメラ設置を検討されている方に向けて、注意点を解説します。
設置する際には次の2つのポイントに注意して、適切に運用できるようにしてください。
注意点1:事前に周知する
ひとつめの注意点は、事前に周知をすることです。
最初に解説したように、周知しないまま撮影を行うとプライバシーの侵害にもなり得ます。
特に病室内に設置する際には、入院申込みの際に同意を得ておく必要があります。
病室以外の場所であっても、「防犯カメラ作動中」のステッカーやプレートを掲示しましょう。
以上のようにスタッフにはもちろん、患者にも防犯カメラが作動していることを周知してください。
注意点2:運用についての取り決めを行う
運用について、あらかじめ取り決めを行っておくことにも注意が必要です。
撮影した映像を保存しておく期間や閲覧できる権限、閲覧方法についてのルールを設定しましょう。
運用についての取り決めが行われていないと、病室設置の際に、入院患者からの理解が得られにくくなります。
どのように運用するのかを明確にし、ルールに従って運用することが大切です。
病院での防犯カメラ設置はプライバシーに注意
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、病院での防犯カメラの設置についてご理解いただけたと思います。
病院に防犯カメラを設置する際には、プライバシーに配慮することが重要です。
カメラを設置する場所や角度に工夫が必要でしょう。
防犯カメラ設置のフリーウェイズネットワークでは、累計5,000件以上の防犯カメラ施工に対応した実績があります。
目立ちにくいドーム型カメラも多数取り扱っておりますので、カメラの設置を検討されているならぜひお気軽にご相談ください。