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保育園の防犯カメラの選び方|子どもと職員を守る設置場所や費用を解説

子どもと職員をトラブルから守るために 保育園・保育施設への防犯カメラの選び方と注意点

 

設立19期目・対応実績10,000件以上。
東京都の建設業許可を取得し、有資格者(防犯設備士・電気工事士)による防犯カメラの設置・施工を数多く手がける【フリーウェイズネットワーク株式会社】が、 保育園の防犯カメラ設置について解説します。

 

保育園では、不審者の侵入対策だけでなく、園児の事故やトラブル発生時の状況確認、送迎時の安全管理など、さまざまな場面で防犯カメラが活用されています。

一方で、保育室や園庭などにカメラを設置する際は、園児や保護者、職員のプライバシーへの配慮が欠かせません。撮影範囲や録画データの保存期間、映像を閲覧できる担当者など、導入前に運用ルールを決めておくことも重要です。

この記事では、保育園に防犯カメラを導入するメリットとデメリット、効果的な設置場所、機器の選び方、費用や補助金、運用時の注意点について解説します。
保育園や幼稚園の安全対策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

【許認可・保有資格(東京都)】 建設業許可:東京都知事 許可(般-6)第159254号[電気工事業]/ 防犯設備士:第17-26862号・第20-30464号/ 第1種・第2種電気工事士 在籍/ 石綿作業主任者 在籍/ 保護具着用管理責任者 在籍

 

この記事でわかること
    • 保育園に防犯カメラを導入するメリットとデメリット
    • 正門・園庭・保育室などの効果的な設置場所
    • 設置環境に適した防犯カメラの選び方
    • 初期費用・月額料金の目安と活用できる補助金
    • 映像の保存・閲覧・提供に関する運用ルール
    • 保育園や幼稚園における防犯カメラの施工事例 …など

 

目次

保育園に防犯カメラを導入するメリット


保育園に防犯カメラを導入することで、不審者の侵入対策だけでなく、園児の見守りや事故発生時の状況確認にも活用できます。

また、映像によって客観的に事実を確認できる環境を整えることは、保護者への適切な説明や保育士をトラブルから守ることにもつながります。ここでは、保育園に防犯カメラを導入する主なメリットを解説します。

 

園児の安全確保

保育園では、正門や裏門、園庭など複数の場所で園児の安全を見守る必要があります。しかし、職員だけですべての場所を常時確認することは難しく、一時的に目が届かなくなる場所や時間帯もあります。

防犯カメラを設置すると、出入口への不審者の侵入や園児の飛び出しなど、園内外の異変に気づきやすくなります。職員室や事務室のモニターから複数箇所の映像を確認できるシステムであれば、職員がその場にいない場所の状況も把握できます。

ただし、防犯カメラは職員による見守りの代わりになるものではありません。職員の目が届きにくい場所を補い、園全体の安全管理を支える設備として活用することが重要です。

 

トラブルや事故発生時の証拠記録

保育園では、園児同士のトラブルや遊具からの転倒、送迎時の接触事故など、さまざまな出来事が発生する可能性があります。事故の瞬間を職員が直接見ていなかった場合、当時の状況を正確に把握することが難しいケースもあります。

防犯カメラの録画映像が残っていれば、事故が発生した場所や時間、園児や職員の動きを確認できます。映像を振り返ることで、事故の原因を検証し、遊具の配置変更や職員の見守り体制の改善など、再発防止策を考える際にも役立ちます。

録画映像は、事故やトラブルの責任を追及するためだけではなく、事実関係を整理して今後の安全対策につなげるための記録として活用できます。

 

保護者への説明に映像を活用できる

園児がけがをした場合や園児同士のトラブルが起きた場合、保護者から詳しい経緯を尋ねられることがあります。職員の記憶や当事者の話だけでは、出来事の前後を正確に説明できないこともあります。

録画映像を確認できれば、いつ、どこで、どのような状況が発生したのかを整理したうえで保護者へ説明できます。事実に基づいた説明がしやすくなり、園と保護者の間で認識が食い違うことを防ぐ効果も期待できます。

 

園と保育士を守る

防犯カメラは園児の安全を守るだけでなく、園や保育士を事実と異なる申し立てや誤解から守るためにも役立ちます。

保育中の対応や事故発生時の行動について問題が指摘された場合、録画映像がなければ職員の記憶や証言をもとに状況を確認することになります。映像が残っていれば、職員が適切に対応していたか、どのような経緯でトラブルが発生したかを客観的に確認できます。

 

導入前に知っておきたいデメリット


建物の壁に設置された2台のボックスカメラ


保育園への防犯カメラ導入には多くのメリットがある一方で、職員の心理的負担やプライバシーへの配慮、映像データの管理など、事前に把握しておきたい課題もあります。

導入後に思わぬ問題が生じないよう、保育園に防犯カメラを設置することで起こり得る主なデメリットを確認しておきましょう。

 

職員が心理的な負担を感じることがある

保育室や園庭など、日常的に保育を行う場所へ防犯カメラを設置すると、職員が「常に見られている」と感じる可能性があります。

園児の安全を守るための設置であっても、導入の目的が十分に共有されていない場合は、勤務状況や保育中の行動を監視するための設備だと受け取られ、不安や不信感につながることがあります。

 

園児・保護者・職員のプライバシーに配慮が必要

防犯カメラの映像には、園児だけでなく、送迎に訪れた保護者や園内で働く職員も写ります。撮影場所や範囲によっては、日常的な行動や会話、個人を特定できる情報が記録されるため、プライバシー上の問題が生じる可能性があります。

特に、更衣や排せつを行う場所、職員の休憩や着替えに使用する場所などは、プライバシー性が高く、防犯カメラの設置場所として適切ではありません。

 

映像流出や不正アクセスのリスクがある

防犯カメラの録画映像には、園児や保護者、職員の姿が記録されるため、外部へ流出した場合には重大なプライバシー侵害につながるおそれがあります。インターネットを通じて映像を確認できるカメラでは、設定や管理が不十分だと、不正アクセスを受ける可能性もあります。

実際に、保育園や幼稚園を含む国内の防犯カメラ映像が海外サイトへ流出し、第三者が閲覧できる状態になっていた事例も報道されています。防犯や見守りのために設置したカメラであっても、管理状況によっては映像流出のリスクが生じます。

 

設置費用や管理の負担が発生する

防犯カメラを導入する際は、カメラ本体だけでなく、録画機やモニター、配線工事などの費用がかかります。設置台数や園内の広さ、配線経路によっては、想定より工事費が高くなる場合もあります。

クラウド録画を利用する場合は月額料金が発生し、レコーダーへ録画する場合も、ハードディスクの交換や機器の点検などの維持費が必要です。

また、録画映像の保存や削除、閲覧状況の確認など、導入後には職員による管理業務も発生します。設置台数が多い園や、映像を長期間保存する場合は、費用だけでなく日常的な管理負担も大きくなる可能性があります。

 

効果的な防犯カメラの設置場所


保育園の正門・園庭・駐車場・外周における防犯カメラ設置場所のイメージ図


保育園では、正門や園庭、保育室など、場所によって防犯カメラを設置する目的が異なります。

出入口では不審者の侵入や園児の飛び出しを確認し、園庭や保育室では事故やトラブルが発生した際の状況確認に活用できます。園内全体を一律に撮影するのではなく、それぞれの場所で確認したい範囲や起こり得るリスクを整理したうえで設置場所を決めることが大切です。

 

正門・裏門・外周

正門や裏門は、園児や保護者、職員だけでなく、来園者や業者なども出入りする場所です。出入口へ防犯カメラを設置することで、不審者の侵入を抑止し、誰がいつ園内へ出入りしたのかを録画映像から確認できます。

正門では、来園者の顔や服装、出入りの様子を確認しやすい位置と角度を選びます。門扉や植栽、ひさしなどによって人物が隠れないかを確認し、登降園時に園児や保護者が重なっても状況を把握しやすい撮影範囲に調整することが大切です。

裏門や通用口は正門と比べて人の目が届きにくく、施錠忘れや不審者の侵入に気づきにくい場合があります。建物の外周やフェンス沿いも含め、死角になりやすい場所や敷地外から近づきやすい場所を確認しながら設置位置を決めましょう。

 

園庭・遊具周辺

園庭では複数の園児が同時に活動するため、職員の立ち位置によっては見えにくい場所が生じます。園庭全体を見渡せる位置へ防犯カメラを設置すると、園児の動きや職員の見守り状況を広い範囲で確認できます。

滑り台やブランコ、ジャングルジムなどの遊具周辺は、転倒や園児同士の接触が起こりやすい場所です。事故が発生した際に、その瞬間だけでなく前後の動きまで確認できるよう、遊具がほかの設備や植栽の陰に隠れない位置と角度を選びます。

園庭の出入口や建物の陰、物置の周辺なども死角になりやすいため、園児が移動する範囲を確認しながら撮影範囲を決めることが大切です。遊具の配置変更や植栽の成長によって見え方が変わることもあるため、設置後も定期的に映像を確認しましょう。

 

保育室・遊戯室

保育室や遊戯室へ防犯カメラを設置すると、園児同士のトラブルや転倒事故が起きた際に、当時の状況を録画映像から確認できます。園児の行動だけでなく、職員がどのように対応したのかを振り返り、見守り体制の改善に役立てることも可能です。

設置場所を決める際は、園児が日常的に活動する範囲をできるだけ広く確認できる位置を選びます。棚や間仕切り、背の高い家具、柱などによって死角が生じることもあるため、実際の室内レイアウトや園児の動線を確認したうえで撮影範囲を調整することが大切です。

着替えや排せつを行う場所など、プライバシー性の高い範囲は撮影しないように注意してください。保育室へ設置する場合は、撮影目的や映像の閲覧方法について、職員や保護者へ事前に説明することも必要です。

 

駐車場・送迎スペース

登園や降園の時間帯には、駐車場や送迎スペースへ車や自転車、歩行者が集中します。園児の飛び出しや車両との接触、送迎車同士の事故などが発生する可能性があるため、園内でも特に安全確認が必要な場所です。

防犯カメラを設置する際は、駐車場全体の動きに加えて、出入口を通過する車両や人の様子を確認できる位置を選びます。車両の進行方向や駐車区画、園児が通る歩行者用の動線が分かるように撮影範囲を調整することが大切です。

送迎時は保護者や園児が重なって写りやすいため、車両出入口や乗り降りする場所など、事故が起こりやすいポイントを優先して撮影します。必要以上に周辺の住宅や道路が写り込まないようにしながら、駐車車両や植栽によって死角が生じない位置を検討しましょう。

 

職員室・事務室・給食室

職員室や事務室には、園児や保護者の個人情報を含む書類、パソコン、現金などが保管されている場合があります。出入口や保管場所の周辺へ防犯カメラを設置することで、部外者の立ち入りや盗難を抑止できます。

給食室では、食材や調理器具の管理に加え、関係者以外の立ち入りを確認する目的でカメラを活用できます。ただし、調理作業を行う職員が常時撮影されるため、設置目的を明確にし、必要な範囲だけを撮影することが重要です。

一方、職員の休憩や着替えに使用する場所へカメラを設置すると、プライバシー上の問題が生じる可能性があります。職員室と休憩スペースが同じ室内にある場合は、出入口だけを撮影するなど、休憩中の様子が必要以上に写らないように配慮しましょう。

 

保育園に適した防犯カメラの選び方


天井に設置された屋内用ドーム型カメラ


保育園へ設置する防犯カメラは、設置場所や確認したい範囲、映像の保存方法などを踏まえて選ぶ必要があります。

高性能なカメラを選べばよいとは限らず、園内の環境や運用方法に合わない機器では、必要な場面を十分に確認できない可能性があります。ここでは、保育園に適した防犯カメラを選ぶ際のポイントを解説します。

 

設置場所と撮影範囲に合ったカメラを選ぶ

防犯カメラを選ぶ際は、正門や園庭、保育室など、設置する場所に合わせてカメラの形状や撮影範囲を検討します。

正門や外周、駐車場などの屋外には、雨やほこりの影響を受けにくい防水・防塵性能を備えたカメラが適しています。人の出入りを目立たせて不審者の侵入を抑止したい場所では、存在が分かりやすいボックス(バレット)型のカメラも選択肢となります。

保育室や遊戯室などの屋内には、天井へ設置しやすく、周囲へ圧迫感を与えにくいドーム型カメラが適しています。園庭や広い遊戯室を1台で確認したい場合は、広角撮影に対応したカメラや、広い範囲を見渡せるカメラも検討するとよいでしょう。

カメラの台数を抑えるために画角を広げすぎると、人物が小さく写り、事故発生時に表情や行動を確認しにくくなる場合があります。撮影範囲の広さだけでなく、どの程度の細かさまで確認したいかを整理して選ぶことが大切です。

 

夜間撮影や逆光補正などの機能を確認する

保育園では、日中だけでなく早朝や夕方、閉園後の防犯対策も考慮して、設置環境に合った撮影機能を確認します。

園庭や外周、駐車場など、夜間に照明が少なくなる場所には、暗所撮影に対応したカメラが適しています。赤外線を利用して暗闇を撮影する機種のほか、周囲の明るさを利用して夜間もカラー映像を記録できる機種もあります。

正門や玄関付近では、屋外の明るさと建物内の暗さに差が生じやすく、人物の顔が黒く写ることがあります。現在の防犯カメラには逆光補正機能を備えた機種が多くありますが、補正性能は機種によって異なります。明暗差の大きい場所では、WDRなどの機能を備え、人物の顔を確認しやすいカメラを選びましょう。

カメラを選ぶ前に、朝や夕方を含めた時間帯ごとの明るさを確認し、実際の設置環境で必要となる機能を判断しましょう。

赤外線カメラ(白黒)画像
赤外線カメラ(白黒)画像
フルカラーカメラ画像
フルカラーカメラ画像

>>夜間もカラー撮影できる防犯カメラについて詳しく見る

 

クラウド録画とレコーダー録画を比較する

防犯カメラの映像を保存する方法には、インターネット上のクラウドへ保存する方法と、園内に設置したレコーダーへ保存する方法があります。

クラウド録画は、園内へ大型の録画機を設置せずに利用でき、インターネットを通じて離れた場所から映像を確認しやすい点が特徴です。一方で、カメラの台数や保存期間に応じた月額料金が発生し、通信環境によっては映像確認に影響が出る可能性があります。

レコーダー録画は、複数台のカメラ映像を園内の録画機へまとめて保存する方法です。月額料金を抑えやすく、長時間の録画にも対応しやすい一方、録画機本体やハードディスクの設置場所を確保し、定期的な点検や交換を行う必要があります。

どちらが適しているかは、設置台数や必要な保存期間、月額費用の有無、映像を確認する場所によって異なります。導入時の費用だけでなく、長期的な運用費用や管理方法も含めて比較しましょう。

 

遠隔確認機能の必要性を検討する

遠隔確認機能を利用すると、園内にいないときでも、パソコンやスマートフォンなどから防犯カメラの映像を確認できます。

園長や管理者が外出している際に園内の様子を確認したり、閉園後に警報や異常の連絡があった場合に現地の状況を確認したりする用途に活用できます。複数の園を運営している場合は、それぞれの施設の映像を離れた場所から確認できることもメリットです。

一方で、遠隔確認を行うためにはインターネットへの接続が必要となり、アカウントやパスワードの管理も求められます。閲覧できる端末や担当者を必要最小限に限定し、職員個人の端末から自由に確認できる状態は避けたほうがよいでしょう。

遠隔確認機能を導入する場合は、誰が、どのような目的で、どの場所から映像を確認できるのかを事前に決めておくことが大切です。

 

音声録音の必要性を慎重に判断する

音声録音に対応した防犯カメラであれば、映像だけでは分かりにくい会話や周囲の音も記録できます。園児同士のトラブルや保護者とのやり取りがあった場合に、状況を確認するための情報が増えることはメリットです。

ただし、保育室や職員室で音声を録音すると、園児や保護者、職員の会話が日常的に記録されます。映像のみを記録する場合よりもプライバシーへの影響が大きく、職員が心理的な負担を感じる可能性もあります。

音声録音を利用する場合は、録音する目的や場所、データの保存期間、確認できる担当者を明確にし、職員や保護者へ事前に説明する必要があります。設置できる機能だからという理由だけで利用せず、映像のみでは目的を達成できないかを検討したうえで慎重に判断しましょう。

 

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設置費用と活用できる補助金制度


「補助金」と書かれた封筒と紙幣


保育園へ防犯カメラを設置する際は、カメラ本体の価格だけでなく、録画機や配線、設置工事などを含めた総額を確認する必要があります。

また、国や自治体が実施する安全対策に関する補助制度を利用できる場合もあります。必要な台数や機能を整理したうえで、補助対象となる設備や申請条件についても事前に確認しておきましょう。

 

初期費用と月額料金の相場

保育園へ防犯カメラを導入する際の初期費用には、カメラ本体、録画機、モニター、配線部材、設置工事費などが含まれます。

一般的な設置費用の目安は、カメラ1~2台で20~30万円程度、3~4台で35~45万円程度です。園庭や出入口、保育室、駐車場などへ複数台を設置する場合は、8~16台で70~180万円程度かかることもあります。

ただし、実際の費用はカメラの台数や性能、建物の広さ、配線経路、録画期間によって異なります。既存の配線を利用できる場合と、新たに配管や電源工事が必要な場合でも費用に差が生じます。

設置台数 初期費用の目安
1~2台 20~30万円程度
3~4台 35~45万円程度
8~16台 70~180万円程度

レコーダーへ映像を保存する場合は、基本的に毎月の録画料金はかかりません。ただし、電気代のほか、数年ごとのハードディスク交換や機器の修理・更新費用を考慮しておく必要があります。

クラウド録画を利用する場合は、カメラの台数や保存期間に応じた月額料金が発生します。初期費用を抑えられる場合もありますが、設置台数が多いほど毎月の負担も大きくなるため、長期的な総額を比較することが大切です。

 

保育園の安全対策に活用できる補助金制度

子どもや子育て家庭に関する政策を担っているこども家庭庁では、保育所等における子どもの性被害防止対策として、カメラや人感センサーなどの設備導入にかかる費用を補助する事業を設けています。対象施設には、保育所、認定こども園、地域型保育事業所、認可外保育施設などが示されています。

ただし、国の補助事業であっても、保育園がこども家庭庁へ直接申請するとは限りません。多くの場合は自治体を通じて実施されるため、園の所在地を管轄する市区町村が事業を実施しているか確認する必要があります。

また、国の支援事業とは別に、自治体が独自に保育所等の防犯設備導入を支援している場合もあります。たとえば東京都品川区では、認可保育所等を対象に、防犯カメラの設置に必要な工事費などを補助する「認可保育所等緊急時安全対策事業補助要綱」を設けています。

補助制度によって、対象となる施設や設備、補助率、上限額、申請期間などは異なります。一般的な防犯目的のカメラがすべて対象になるとは限らず、導入前の申請や見積書、設置目的を示す書類などが求められることもあります。

補助金の利用を検討する場合は、機器の購入や工事を行う前に、自治体の保育担当窓口へ相談しましょう。制度の内容や受付状況が変更される可能性もあるため、必ず最新情報を確認してください。

 

トラブルを防ぐための運用ルール


注意や警戒をイメージさせる指差しのイメージ写真


保育園で防犯カメラを適切に活用するためには、設置するだけでなく、映像の取り扱いに関するルールをあらかじめ決めておくことが重要です。

撮影目的や閲覧できる担当者が曖昧なままだと、職員や保護者の不安につながり、映像の提供をめぐるトラブルが起きる可能性もあります。導入前に園内で共通の運用ルールを整え、関係者へ周知しておきましょう。

 

導入前に保護者と職員へ説明する

防犯カメラを導入する際は、設置後に知らせるのではなく、事前に保護者と職員へ説明することが大切です。

説明する内容には、設置の目的、設置場所、撮影範囲、録画の有無、保存期間、映像を閲覧できる担当者などが含まれます。音声録音や遠隔確認を行う場合は、その機能についても明確に伝えましょう。

特に職員に対しては、勤務状況を常時監視することが目的ではなく、園児や職員の安全確保、事故やトラブル発生時の状況確認を目的としていることを丁寧に説明する必要があります。

保護者には、園内へ防犯カメラを設置していることをお知らせや入園時の案内に記載し、必要に応じて問い合わせ窓口も示しておくと安心です。

 

撮影目的と撮影範囲を明確にする

防犯カメラは、設置する場所ごとに撮影目的を決めておきます。たとえば、正門は不審者の侵入や出入りの確認、園庭は事故発生時の状況確認、駐車場は送迎時の安全確認など、目的を具体的に整理します。

撮影目的が明確であれば、必要な画角や設置位置を判断しやすくなり、関係のない場所を過度に撮影することも防げます。

近隣住宅の敷地や窓、道路を通行する人などが必要以上に写り込まないよう、設置後には実際の映像を確認してカメラの角度を調整しましょう。

更衣や排せつを行う場所、職員の休憩や着替えに使用する場所など、プライバシー性の高い範囲は撮影しないことが基本です。保育室内に着替えなどを行うスペースがある場合は、カメラの向きや撮影範囲を特に慎重に設定する必要があります。

 

録画データの保存期間を決める

録画データの保存期間は、防犯カメラの設置目的や園の運用状況に合わせて決めます。一般的には2週間から1か月程度を目安とするケースが多く見られますが、全国一律の基準が定められているわけではありません。

期間を定めずに長期間保存すると、管理する個人情報が増え、映像流出時の影響も大きくなります。一方で、保存期間が短すぎると、事故やトラブルが判明した時点ですでに映像が上書きされている可能性があります。保護者から問い合わせが届くまでの期間や、園内で事実確認を行うために必要な日数を考慮しましょう。

保存期間を過ぎた映像は、録画機やクラウドサービスの設定によって自動的に上書き・削除される運用が一般的です。事故やトラブルに関係する映像を別途保存する場合は、保存理由や保管期限、削除のタイミングも記録しておくと管理しやすくなります。

保存期間を変更する際は、担当者の判断だけで変更せず、園内の管理責任者が確認できる手順を決めておくことも重要です。

 

映像を閲覧できる担当者を限定する

録画映像には園児や保護者、職員の姿が含まれるため、誰でも自由に閲覧できる状態は避けなければなりません。

園長や主任、施設管理の担当者など、業務上必要な職員だけに閲覧権限を与えます。事故やトラブルが発生した場合も、関係のない職員が興味本位で映像を確認することがないよう、閲覧できる条件を明確にしましょう。

遠隔確認機能を利用する場合は、共通のアカウントを複数人で使い回さず、可能であれば担当者ごとにアカウントを設定します。退職や担当変更があった際には、速やかにパスワードや権限を見直す必要があります。

録画機やモニターは、園児や来園者が容易に操作できない場所へ設置し、管理画面を開いたまま離席しないなど、日常的な取り扱いにも注意しましょう。

 

映像の提供・持ち出しに関するルールを決める

事故やトラブルが起きた際、保護者や警察、保険会社などから映像の確認や提供を求められる場合があります。こうした依頼があったときに担当者ごとで対応が変わらないよう、提供できる条件や手続きを事前に決めておくことが大切です。

保護者から映像の閲覧を求められた場合でも、ほかの園児や保護者、職員が写り込んでいれば、そのまま公開することが適切とは限りません。映像を直接見せるのか、園側で内容を確認して説明するのか、必要に応じて第三者へ相談するのかを検討します。

映像をUSBメモリーなどへ保存して園外へ持ち出す場合は、持ち出す目的、担当者、保存先、返却や削除の期限を記録します。職員個人のスマートフォンで画面を撮影したり、私物の記録媒体へコピーしたりすることは避けましょう。

警察などの公的機関へ映像を提供する場合にも、提供した日時や範囲、提出先を記録しておくことで、その後の管理状況を確認しやすくなります。

 

保育園の防犯カメラに関するよくある質問


住宅の模型と防犯カメラが置かれているイメージ


保育園への防犯カメラ導入を検討する際は、設置の義務や映像の取り扱い、保存期間などについて疑問を感じる方も多いでしょう。

ここでは、保育園の防犯カメラに関するよくある質問に簡潔に回答します。

 

設置は義務化されている?

現在、すべての保育園に防犯カメラの設置が一律で義務づけられているわけではありません。

ただし、園児の安全確保や不審者の侵入対策、事故発生時の状況確認などに役立つため、園の環境や安全管理体制に応じて導入を検討するとよいでしょう。自治体や施設の種類によって独自の基準が設けられている可能性もあるため、必要に応じて管轄の自治体へ確認してください。

 

保護者に映像を公開すべき?

防犯カメラの映像を日常的に保護者へ公開する必要はありません。映像には、ほかの園児や保護者、職員の姿が含まれるため、希望があった場合でもそのまま公開することが適切とは限りません。

事故やトラブルが起きた際は、園側で映像を確認したうえで状況を説明するなど、プライバシーに配慮した対応が必要です。映像を閲覧・提供する条件や対応手順は、あらかじめ運用ルールとして決めておきましょう。

 

データの保存期間はどれくらい?

防犯カメラの録画データについて、一律に定められた保存期間はありません。一般的には2週間から1か月程度に設定される例がありますが、事故やトラブルが発覚するまでの期間、録画機の容量、管理上の負担などを考慮して園ごとに決めます。

保存期間が短すぎると必要な映像が上書きされる可能性があり、長すぎると管理する個人情報が増えます。保存目的に必要な範囲で期間を定め、期限を過ぎた映像は自動的に上書き・削除されるよう設定すると管理しやすくなります。

 

音声録音は必要?

音声録音は必須ではありません。映像だけでは確認しにくい会話や周囲の音を記録できる一方で、園児や保護者、職員の日常的な会話まで録音されるため、プライバシーへの影響が大きくなります。

音声録音を利用する場合は、その必要性を十分に検討し、録音する目的や場所、保存期間、閲覧できる担当者を明確にしたうえで、職員や保護者へ事前に説明しましょう。

 

補助金の申請方法は?

保育園の安全対策に関する補助金は、国の事業をもとに自治体を通じて実施される場合があります。そのため、まずは園の所在地を管轄する市区町村の保育担当窓口へ、利用できる制度があるか確認しましょう。

申請には見積書や機器の仕様書、設置目的を示す書類などが必要になることがあります。契約や工事の開始後は補助対象外となる可能性もあるため、機器の購入や工事を行う前に相談・申請することが大切です。

 

保育施設向け防犯カメラの施工事例


フリーウェイズネットワークでは、保育園や幼稚園の建物構造、園児や職員の動線、園庭や出入口の位置に合わせた防犯カメラ設置を行っています。

ここでは、園児の安全管理や事故・トラブル発生時の状況確認、不審者の侵入対策を目的として施工した事例を紹介します。なお、個人情報保護およびセキュリティ上の観点から、カメラの撮影映像そのものは掲載していません。

東京都大田区の保育園|新築工事に合わせた防犯カメラ設置

保育園で行った防犯カメラの先行配線と設置工事の様子
新築工事に合わせて行った先行配線から防犯カメラ設置までの施工の様子


東京都大田区の保育園にて、新築工事に合わせて防犯カメラを設置した事例です。
建物の竣工前から工事に入り、壁や天井が仕上がる前に必要な配線を通す先行配線工事を行ったうえで、建物の完成に合わせてカメラや録画機を設置しました。

建築段階から施工に携わることで、ケーブル類を壁や天井の内部に収める隠蔽配線で施工しています。
配線が露出しにくく、園内の見た目をすっきりと仕上げられるだけでなく、園児が配線へ触れるリスクを抑えられる点もメリットです。

機器構成:
・屋外用ボックス(バレット)型カメラ 16台
・屋内用ドーム型カメラ 32台
・16ch DVRレコーダー 3台
・モニター 3台

費用:約160万円(工事費込み)

 

東京都品川区の保育園|昇降口・園庭の安全管理

保育園の天井に設置されたドーム型防犯カメラ
昇降口や園庭周辺を確認できる位置へ設置したドーム型防犯カメラ


登降園時の混雑状況や園庭での事故を確認できる環境を整えたいとのご相談をいただき、防犯カメラシステムを導入しました。
昇降口や園庭における園児と保護者の動線を確認し、死角をできるだけ抑えられるようにカメラを配置しています。

屋外には赤外線撮影に対応したドーム型カメラを採用し、日中だけでなく早朝や夜間も映像を記録できる構成としました。
16台のカメラ映像は職員室の録画機とモニターへ集約し、昇降口や園庭の状況をまとめて確認できる環境を構築しています。

機器構成:
・IR照明付きドームカメラ 16台(昇降口・園庭周辺)
・16ch NVRレコーダー 1台
・モニター 1台

費用:約53万円(工事費込み)

 

神奈川県相模原市の幼稚園|教室・廊下・出入口の安全管理

幼稚園の天井に設置されたドーム型防犯カメラ
教室や廊下の様子を確認できる位置へ設置したドーム型防犯カメラ


園児や職員の安全確保に加え、事故やトラブルが起きた際に状況を確認できる体制を整えたいとのご相談をいただきました。
教室や廊下、出入口など、園児が日常的に移動する場所を中心に防犯カメラを設置しています。

園児の動線を連続して確認できるように配置し、既存設備との干渉を避けながら、天井付近へ配線をまとめました。
16台のカメラ映像は職員室のモニターから一括で確認でき、園児同士のトラブルや転倒事故が発生した際の状況確認にも活用できる構成です。

機器構成:
・IR照明付きドームカメラ 16台(教室・廊下・出入口)
・16ch NVRレコーダー 1台
・モニター 1台

費用:約51万円(工事費込み)

 

まとめ|子どもと職員を守るカメラ選びで安心な園へ


屋外ポールに設置された防犯用のPTZ監視カメラ


保育園などの保育施設への防犯カメラ設置は、不審者の侵入対策だけでなく、園児の事故やトラブル発生時の状況確認、保護者への説明、職員を守るための記録としても役立ちます。

一方で、職員の心理的な負担やプライバシーへの配慮、映像流出のリスクなどもあるため、設置場所や撮影範囲、保存期間、閲覧権限を事前に決めておくことが大切です。

カメラを選ぶ際は、正門や園庭、保育室、駐車場など、それぞれの場所で確認したい範囲や時間帯を整理し、暗所撮影や逆光補正、録画方式、遠隔確認機能などを比較しましょう。補助金を利用できる場合もあるため、導入前に自治体の制度を確認しておくと安心です。

フリーウェイズネットワークでは、保育施設の建物構造や園児・職員の動線を確認したうえで、必要な場所や台数に合わせた防犯カメラシステムをご提案しています。防犯カメラの設置や入れ替えをご検討の際は、お気軽にご相談ください。

 

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執筆者

執筆者

代表取締役社長 川口

<資格>
第2種電気工事士

<略歴>
2006年 Scotch College Adeladeを卒業後に帰国し、東証一部上場企業の営業代行会社を立ち上げる。 2010年にフリーウェイズネットワーク株式会社へ中途入社し現在に至る。

<代表メッセージ>
弊社は2009年の創業以来、セキュリティを通じてお客様に安心安全を提供することを使命として歩んでまいりました。

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