防犯カメラのIP規格とは?IP65・IP66・IP67の違いと設置場所別の目安
設立19期目・対応実績10,000件以上。
東京都の建設業許可を取得し、有資格者(防犯設備士・電気工事士)による防犯カメラの設置・施工を数多く手がける【フリーウェイズネットワーク株式会社】が、
防犯カメラのIP規格について解説します。
屋外用の防犯カメラを選ぶ際、「IP65」「IP66」「IP67」といった表記を目にすることがあります。
IP規格は、防犯カメラの防水・防塵性能を確認するための指標です。この記事では、IP規格の基本的な見方やIP65・IP66・IP67・IP68の違い、設置場所に応じた考え方をわかりやすく解説します。
屋外用防犯カメラの選定を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
【許認可・保有資格(東京都)】 建設業許可:東京都知事 許可(般-6)第159254号[電気工事業]/ 防犯設備士:第17-26862号・第20-30464号/ 第1種・第2種電気工事士 在籍/ 石綿作業主任者 在籍/ 保護具着用管理責任者 在籍
-
- 防犯カメラのIP規格の意味と数字の見方
- IP65・IP66・IP67・IP68の違い
- 設置場所に応じたIP規格の考え方
- IP規格だけで判断できない屋外設置時の注意点
- 防犯カメラのIP規格に関するよくある質問 …など
防犯カメラのIP規格とは

防犯カメラを屋外に設置する場合、雨やほこりの影響を受けるため、防水・防塵性能を確認することが重要です。
その性能を判断する目安として使われるのが「IP規格」です。IP規格は「IP66」「IP67」のように表記され、機器が水やほこりに対してどの程度の保護性能を備えているかを示します。
ここでは、IP規格の概要と数字の見方について解説します。
IEC(国際電気標準会議)が定める国際規格
IP規格は、IEC(国際電気標準会議)が定めるIEC 60529に基づく国際規格です。
防犯カメラだけでなく、照明機器や電気設備、各種電子機器などにも広く使用されています。
防犯カメラを選ぶ際には、設置環境に適した機種かどうかを判断するための一つの基準となります。
1桁目は防塵性能を表す
IPの後ろにある2桁の数字のうち、1桁目は、人の手や指、工具などが機器内部の危険な部分に触れることや、ほこりなどの固形物が内部へ侵入することに対する保護性能を表します。
防塵性能は0~6の等級に分けられており、「IP6X」のように表した場合、「6」の部分が防塵性能の等級です。
| 等級 | 保護内容 | IP表記例 |
|---|---|---|
| 0 | 特に保護されていない | IP0X |
| 1 | 手など、直径50mm以上の物体が内部の危険な部分に触れない | IP1X |
| 2 | 指など、直径12.5mm以上の物体が内部の危険な部分に触れない | IP2X |
| 3 | 工具など、直径2.5mm以上の物体が内部に侵入しない | IP3X |
| 4 | ワイヤーなど、直径1.0mm以上の物体が内部に侵入しない | IP4X |
| 5 | 機器の正常な動作を妨げるほどの粉塵が内部に侵入しない | IP5X |
| 6 | 粉塵が内部に侵入しない | IP6X |
防犯カメラでは、屋外用製品を中心に防塵等級「6」の機種が多く見られます。IP65・IP66・IP67・IP68はいずれも1桁目が「6」のため、防塵性能については同じ等級です。
2桁目は防水性能(0〜8の9段階)を表す
IPの後ろにある2桁の数字のうち、2桁目は、水滴や噴流水、水没など、水の侵入に対する保護性能を表します。
防水性能は0~8の9段階に分けられており、「IPX6」のように表した場合、「6」の部分が防水性能の等級です。
| 等級 | 保護内容 | IP表記例 |
|---|---|---|
| 0 | 特に保護されていない | IPX0 |
| 1 | 垂直に落ちる水滴による有害な影響を受けない | IPX1 |
| 2 | 機器を15°まで傾けた状態で、垂直に落ちる水滴による有害な影響を受けない | IPX2 |
| 3 | 垂直から60°以内の方向から降る水による有害な影響を受けない | IPX3 |
| 4 | あらゆる方向からの水の飛まつによる有害な影響を受けない | IPX4 |
| 5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響を受けない | IPX5 |
| 6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響を受けない | IPX6 |
| 7 | 規定された条件で一時的に水中へ浸しても有害な影響を受けない | IPX7 |
| 8 | 製品ごとに定められた条件で継続的に水中へ浸しても有害な影響を受けない | IPX8 |
それぞれ想定される水のかかり方や試験条件が異なるため、具体的な違いについては次の章で解説します。
IP65・IP66・IP67・IP68の違い

ここでは、防犯カメラの仕様で見られるIP65・IP66・IP67・IP68について、それぞれの防水性能の違いを確認していきます。
IP65:あらゆる方向からの噴流水に対応
IP65は、粉塵の侵入を防ぐ防塵性能に加えて、あらゆる方向からの噴流水に対する保護性能を備えた等級です。
防水性能の試験では、機器に対してノズルから水を噴射し、内部への浸水によって有害な影響が生じないかを確認します。
屋外で使用できる機器にも採用されていますが、雨の当たり方や設置場所によって必要な防水性能は異なります。防犯カメラを設置する際は、IP65という表記だけで判断せず、実際の設置環境もあわせて確認することが重要です。
IP66:強い噴流水に対応
IP66は、IP65よりも強い噴流水に対する保護性能を備えた等級です。
試験では、ノズルから強い水流を噴射し、内部への浸水によって有害な影響が生じないかを確認します。
IP65も噴流水を想定した等級ですが、IP66ではより強い水流に対する保護性能が求められます。
IP67:一時的な水没にも対応
IP67は、防塵性能に加えて、一時的に水中へ浸かった場合にも内部へ水が侵入しにくい性能を備えた等級です。
一般的には、規定された条件のもとで水深1m程度の水中に約30分間浸し、内部への浸水によって有害な影響が生じないかを確認します。
IP66は強い噴流水、IP67は一時的な水没と、それぞれ想定されている試験条件が異なります。
IP68:継続的な水没にも対応する等級
IP68は、防塵性能に加えて、継続的に水中で使用することを想定した保護性能を備える等級です。
IP67よりも厳しい条件で水中へ浸す試験が行われますが、具体的な水深や試験時間などの条件は製品ごとに定められます。そのため、IP68という表記だけで性能を一律に判断することはできません。
防犯カメラを選ぶ際は、IP等級の数字だけを比較するのではなく、設置場所や使用環境に必要な性能を確認したうえで機種を選定することが大切です。
設置場所別に必要なIP規格の目安

防犯カメラに必要なIP規格は、屋内・屋外の違いだけでなく、雨風の当たり方や周辺環境によっても変わります。
ここでは、設置場所ごとの考え方を紹介します。
屋内はIP規格をそこまで重視しなくてよい
オフィスや店舗、マンションの共用廊下など、雨やほこりの影響を受けにくい屋内では、屋外ほどIP規格を重視する必要はありません。
屋内用の防犯カメラを選ぶ際は、防水・防塵性能よりも、必要な画角や画質、夜間撮影機能、設置場所に合ったカメラ形状などを優先して検討することが多くなります。
ただし、工場や倉庫など粉塵が発生しやすい場所や、水を使用する設備の周辺では、屋内であっても防塵・防水性能を確認したうえで機種を選定する必要があります。
屋外ではIP66対応機種を使用することが多い
玄関まわりや駐車場、建物の外壁など、雨風の影響を受ける屋外では、防水・防塵性能を備えたカメラを選ぶ必要があります。
当社では、一般的な屋外への設置ではIP66対応機種を使用することが多くなっています。IP66は強い噴流水に対する保護性能を備えているため、雨が直接当たる場所を含め、幅広い屋外環境で使用されています。
ただし、同じ屋外でも軒の有無やカメラの向き、雨水の流れ方などによって条件は異なります。実際の設置では、IP規格だけでなく、カメラ本体や配線部分に雨水が入りにくい位置を選ぶことも重要です。
設置環境や用途によってIP67・IP68対応機種も検討する
屋外でも、設置場所によってカメラが受ける水やほこりの影響は異なります。通常の屋外設置ではIP66対応機種を使用することが多い一方、より厳しい環境や特殊な用途では、IP67・IP68対応機種を検討する場合があります。
ただし、防水性能だけで機種を決めるのではなく、必要な画角や撮影距離、夜間撮影などの機能も含めて、設置目的に合った機種を選定することが重要です。
IP規格だけで判断してはいけない理由

IP規格は、防犯カメラの防水・防塵性能を確認するうえで重要な指標ですが、屋外設置に適しているかどうかをIP等級だけで判断することはできません。
高い等級でも完全防水を保証するものではない
IP規格は、定められた試験条件のもとで、機器内部へのほこりや水の侵入に対する保護性能を示すものです。
そのため、IP67やIP68など高い等級の製品であっても、あらゆる環境や使用方法で水の侵入を完全に防げることを保証するものではありません。
実際の設置場所では、長期間にわたる雨風や強風、雨水の流れ込みなど、試験条件とは異なる影響を受けることがあります。カメラを屋外に設置する際は、IP等級だけでなく、雨水が直接当たり続けにくい場所や、水がたまりにくい位置を選ぶことも重要です。
コネクター・ケーブル接合部にも防水処理が必要
カメラ本体がIP66やIP67に対応していても、ケーブルの接続部分やコネクターまで同じ防水性能を備えているとは限りません。
屋外では、カメラ本体だけでなく、電源ケーブルや映像ケーブル、LANケーブルなどの接続部分から水が入り込まないように施工する必要があります。
設置場所に応じて防水処理を施したり、接続部分を雨水が直接かかりにくい位置へ納めたりするなど、施工方法も防犯カメラを長く使用するための重要なポイントです。
防水性能の高いカメラを選んでも、配線や接続部分の処理が不十分であれば故障の原因になる可能性があるため、機器の性能と施工の両方を考える必要があります。
耐衝撃性能と耐候性も確認する
屋外用防犯カメラでは、防水・防塵性能以外にも、設置環境に応じて耐衝撃性能や耐候性を確認することが大切です。
人の手が届きやすい場所や物がぶつかる可能性のある場所では、カメラ本体やカバーの耐衝撃性も確認しておく必要があります。
また、屋外では夏場の高温や冬場の低温、直射日光などの影響も受けます。製品ごとに設定されている動作温度の範囲を確認し、設置する地域や場所の環境に対応できる機種を選ぶことが必要です。
海沿いでは塩害、工場では粉塵や油分など、一般的な屋外とは異なる条件が加わる場合もあります。このような環境では、設置場所の状況を確認したうえで機種や施工方法を検討することが重要です。
お問い合わせいただければ、丁寧にサポートいたします。
防犯カメラのIP規格に関するよくある質問

ここでは、防犯カメラのIP規格についてよくある疑問をまとめて解説します。
IP65とIP66の違いは何ですか?
IP65とIP66は、どちらも防塵性能については最高等級の「6」ですが、防水性能に違いがあります。
IP65はあらゆる方向からの噴流水に対する保護性能、IP66はそれよりも強い噴流水に対する保護性能を示します。
IP66とIP67の違いは何ですか?
IP66は強い噴流水、IP67は一時的な水没に対する保護性能を示しています。
数字だけを見るとIP67の方が上位に見えますが、想定している試験条件が異なるため、IP67であればあらゆる環境でIP66より優れているという意味ではありません。
IP67とIP68の違いは何ですか?
IP67は規定された条件での一時的な水没、IP68は製品ごとに定められた条件での継続的な水没に対する保護性能を示します。
IP68はIP67よりも水中での使用を想定した等級ですが、具体的な水深や時間などの条件は製品によって異なります。そのため、IP68という表記だけで性能を判断せず、メーカーが定める仕様も確認することが大切です。
IP44とIP65の違いは何ですか?
IP44とIP65では、防塵性能と防水性能の両方に違いがあります。
IP44は直径1mm以上の固形物の侵入と、あらゆる方向からの水の飛まつに対する保護性能を備えています。一方、IP65は粉塵の侵入を防ぎ、噴流水にも対応するため、より高い防塵・防水性能を備えています。
屋外用防犯カメラを選ぶ場合は、IP表記だけでなく、実際に屋外使用を想定した製品であるかも確認しましょう。
IP65やIP66の防犯カメラは台風でも使えますか?
IP65やIP66は屋外用防犯カメラにも採用されている防水・防塵等級ですが、IP規格だけで台風時の使用可否を判断することはできません。
台風では強い雨だけでなく、横殴りの雨や強風、飛来物などの影響も考えられます。また、カメラ本体が防水仕様でも、コネクターや配線部分の施工状態によっては水が侵入する可能性があります。
屋外へ設置する際は、カメラのIP等級に加えて、設置位置や固定方法、防水処理なども含めて対策することが重要です。
IP規格とIPアドレスの「IP」は同じ意味ですか?
同じ「IP」という表記ですが、意味は異なります。
IP規格のIPは「Ingress Protection」を指し、機器の防塵・防水性能を示します。一方、IPアドレスのIPは「Internet Protocol」を指し、ネットワーク上で機器を識別するために使用される仕組みです。
ネットワークカメラが「IPカメラ」と呼ばれる場合のIPも、IPアドレスと同じInternet Protocolを意味します。
耐候性に配慮した施工事例
フリーウェイズネットワークでは、IP規格で確認できる防水・防塵性能に加えて、塩害や気温、直射日光など、設置環境特有の条件も考慮して機種や施工方法を選定しています。
ここでは、耐候性に配慮して防犯カメラを設置した事例を紹介します。
宮城県内の海沿い施設|塩害に配慮した屋外用PTZカメラを設置
宮城県内の海沿いにある施設にて、屋外用PTZカメラ12台の設置工事を行いました。
海に近い場所では、潮風に含まれる塩分によって機器や金属部分が腐食しやすくなるため、今回は塩害に配慮した特別仕様の屋外用PTZカメラを採用しています。
カメラは建物外周の高所に設置するため、高所作業車を使用して取付工事を実施しました。IP規格による防水・防塵性能だけでなく、設置地域特有の環境に対応した機器選定が重要となる事例です。
機器構成:
・屋外用PTZカメラ HLT-S7CDH/18X 12台
・ネットワークレコーダー(25ch対応) HNR-25HF 1台
工期:2026年4月・計3日間
費用:約210万円(工事費込み)
秋田県内の屋外|低温環境に配慮したPTZカメラをポールに設置
秋田県内にて、道路周辺の状況を確認するため、屋外のポールへPTZカメラ2台を設置しました。
冬季に気温が大きく低下する地域のため、低温環境での使用を考慮した寒冷地仕様の屋外用PTZカメラを採用しています。2台のカメラを設置し、道路周辺を異なる方向から確認できる構成としました。
屋外用防犯カメラを選ぶ際は、防水・防塵性能だけでなく、製品ごとに定められている動作温度も確認する必要があります。寒冷地では、設置地域の気候に対応した機器を選定することが重要です。
機器構成:
・屋外用PTZカメラ FTH-AHDZ1021W 2台
・ネットワークレコーダー(4ch対応) RS-D7104 1台
工期:2026年5月・計1日間
費用:約55万円(工事費込み)
東京都昭島市の月極駐車場|屋外用PTZカメラをポールに設置
東京都昭島市の月極駐車場にて、場内の監視強化を目的とした防犯カメラ設置工事を行いました。
駐車場の四隅にあるポール4か所へ屋外用PTZカメラを設置し、出入口と場内の動きを広く確認できる構成としています。
屋外のポール上は雨や直射日光などの影響を受けるため、防犯カメラを設置する際には屋外使用に対応した機器を選ぶことが重要です。今回採用したPTZカメラは旋回操作にも対応しており、離れた場所から状況に応じて確認できます。
機器構成:
・屋外用PTZ(旋回)カメラ HLT-S7CDH/18X 4台
・ネットワークレコーダー(4ch対応) HNR-09KK 1台
費用:約59万円(工事費込み)
まとめ|設置環境に合った防犯カメラのIP規格を選ぼう

防犯カメラのIP規格は、防水・防塵性能を確認するための重要な指標です。
屋外用カメラではIP65・IP66・IP67・IP68などが使われていますが、数字が大きいほどすべての設置環境に適しているというわけではありません。雨風の当たり方や設置場所、周辺環境などを確認し、必要な性能を備えた機種を選ぶことが大切です。
また、屋外設置ではカメラ本体のIP等級だけでなく、コネクターやケーブル接合部の防水処理、動作温度、耐衝撃性能、塩害や粉塵などへの耐候性も確認する必要があります。
フリーウェイズネットワークでは、設置場所の状況や用途を確認したうえで、適した防犯カメラの選定から配線・設置工事まで対応しています。屋外への防犯カメラ設置や、設置環境に適した機種選びでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
執筆者
代表取締役社長 川口
<資格>
第2種電気工事士
<略歴>
2006年 Scotch College Adeladeを卒業後に帰国し、東証一部上場企業の営業代行会社を立ち上げる。
2010年にフリーウェイズネットワーク株式会社へ中途入社し現在に至る。
<代表メッセージ>
弊社は2009年の創業以来、セキュリティを通じてお客様に安心安全を提供することを使命として歩んでまいりました。